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有罪とは?

被告人は無罪の証明をせずとも有罪判決確定までは無罪として扱われます。有罪判決のためには、検察官は合理的な疑いなく有罪といえる程度の証明が必要です。

有罪判決が下される場合

刑事裁判において有罪判決は、検察官によって被告人が犯罪を犯したことが「合理的な疑いを差し挟む余地のない程度」に立証された場合に下されます。

ここでいう「合理的な疑いを差し挟む余地がない程度」とは、理性ある一般人であれば当然抱くであろう疑いを差し挟む余地がない程度のことを指します。つまり、常識的に考えれば有罪と確信できる程度です。

後述する無罪推定の原則があるため、刑事裁判の審理は「被告人は無罪である」という前提から始まり、検察官が証拠により「合理的な疑い」を超える有罪の証明をして初めて、被告人は有罪となります。

したがって、たとえ検察官が95%は有罪であると立証しても、残り5%の無罪の合理的可能性が捨てきれないといった場合は、有罪判決が下されることはありません

なお、無罪判決が下される場合には、検察官が起訴状で主張した事実が認められない場合と,事実の存在が認められても法律上罪とはならない場合があります。

無罪推定の原則

無罪推定の原則とは、被疑者・被告人は裁判で有罪判決が確定するまでは無罪として扱われる原則です。有罪判決のために必要なあらゆることは検察官に立証責任があり、検察官の立証が不十分な場合、被告人は自分の無罪を証明する必要はありません

無罪推定の原則により、有罪判決確定までは、原則としてできる限りの自由が認められ、権利の制約は必要最小限度でしかなされません。

TVのニュース等を見ていると、「逮捕=有罪」であると誤解させるような報道がありますが、本来法の世界では、逮捕されても有罪判決確定までは無罪として扱われるのが原則です。

無罪推定の原則の徹底のための活動を行うことも、弁護士の重要な役割です。

証拠

刑事裁判において事実の認定は、それが真実であるか否かに関わらず証拠によってなされます

犯罪の有無を判断するために証拠によって証明すべき事実のことを「要証事実」といいます。例えば、「被告人が被害者をナイフで殺害したこと」等が要証事実といえます。被告人自身の供述や、犯行目撃者の供述等の要証事実を直接的に証明できる証拠のことを「直接証拠」といいます。

これに対して、「被告人の自宅に血痕が付着したナイフがあった」といったような要証事実を推認させる事実を「間接事実」といいます。一般に「状況証拠」と呼ばれるものはこの間接事実にあたります。そして、血痕付着ナイフ等は、「間接証拠」といい、間接事実の存在を証明します。

証拠の種類には物証、書証、人証があります。

物証とは、注射器や血痕付着ナイフ等の証拠をいい、裁判官は法廷でこれを見て事実の有無・程度を判断します。

書証とは、被告人の尿検査の結果を示した書面や被告人の供述を記録した書面をいいます。裁判官は、検察官が法廷で書面の内容を朗読するのを聞いて、事実の有無・程度を判断します。書証には写真等が添付されていることもあり、裁判官はこれを法廷で見ることができます。

人証とは、法廷における被告人の供述や事件関係者の証言をいいます。検察官や弁護人は証人らに法廷で質問し、証人らは返答するので、裁判官はこれを聞いて事実の有無・程度を判断します。

証拠例 立証しようとする事実
血痕付着ナイフ
(物証・間接証拠)
被告人の自宅に血痕付着ナイフがあったこと
(間接事実)
血痕の鑑定書
(書証・間接証拠)
血痕が被害者のものであること
(間接事実)
「被告人が被害者を刺すのを見た」という目撃者の法廷での証言
(人証・直接証拠)
被告人が被害者をナイフで刺したこと
(要証事実)
「被告人が被害者と激しい口論をしていた」という目撃者の法廷での証言
(人証・間接証拠)
犯行前に被告人が被害者と激しい口論をしていたこと
(間接事実)

執行猶予

執行猶予とは、罪の重大さ、前科の有無、反省状況等を考慮して、刑の執行を猶予する制度です。

懲役刑の有罪判決が下されても、執行猶予が付された場合は、直ちに刑務所に入る必要はありません。例えば、「懲役3年、執行猶予5年」の判決が下された場合、5年間は刑の執行が猶予されて、通常の日常生活を送ることができ、その5年間で何も問題を起こさなければ、刑罰は消滅します。

執行猶予期間中は、原則として、結婚や引っ越し、進学等が自由で、通常の日常生活を送りながら更生を図ることができます。公務員や一定の専門職等の法律上の制限のある職業を除いては仕事も自由にできますし、ビザの取得等ができれば海外旅行にも行けます。

執行猶予が付くためには、①今回の判決が3年以下の懲役・禁錮又は50万円以下の罰金刑を内容とするもので、②禁固以上の刑に処された前科がない、あるいは処されたことがあっても刑の執行後5年間他の刑を受けていなければなりません。

上記要件を満たした上で、事件の重大性、示談の成立の有無、被告人の生活環境等様々なことが考慮されて、執行猶予の有無が決せられます。もっとも、この判断は専ら裁判官に裁量があり、法律上特に明確な基準があるわけではありません。

なお、保護観察の付いていない執行猶予期間内にさらに有罪判決の宣告を受けた場合であっても、刑の内容が1年以下の懲役又は禁錮であるような軽微な犯罪(無免許運転や軽い万引き等)であり、かつ特に情状酌量すべきときは、再び執行猶予が付される場合があります。

執行猶予付き判決をより確実に得るためには、刑事裁判の見通しを立て、示談を締結する等裁判を有利に進めるための十分な対策を練る必要があります。そのためにも、刑事事件に精通した弁護士に相談することが重要です。

判決後の身体拘束

裁判の判決の内容によって、身体の拘束の有無・程度は異なります。

無罪判決を受けた場合は、極めて例外的な場合を除いて、判決宣告後直ちに釈放されます。

実刑判決を受けると、裁判の間勾留されていた場合は、そのまま身体拘束が継続され、判決確定後に刑務所に収監されます。在宅事件の場合は判決宣告の翌日から14日間経過後に判決が確定し、刑務所に収監されます。なお、保釈中だった場合は、実刑判決宣告により保釈が失効します。

執行猶予付き判決を受けた場合は、たとえ裁判の間勾留されていたとしても、判決宣告後直ちに釈放されます。保護観察付執行猶予の場合は、判決宣告後に保護観察の説明を受け、後日、保護観察所に出頭することになります。

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それゆえ、弁護士に相談するのは早い方がいいです。逮捕後より逮捕前、勾留決定後より勾留決定前、起訴後より起訴前にご相談されることをお勧めします。

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また、被害者がいない事件や被害者が示談を拒否している事件でも、弁護士が被疑者の事情を裁判所などに代弁することで、早期釈放刑の軽減の可能性を高めることができます。

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© 2016 Takeshi Okano
Last Updated Mar. 2017